「まぁ、今夜はここに泊まれ。
明日はちゃんと川島の所に戻れよ」







あたしを見たまま優しく言ってくれる先生。







…でも







『あたし、もう翔の所に戻るつもりはないです』







もう、戻れない。







「そうか」







そう言って立ち上がった先生。







『…怒らないの?』







てっきり戻れって言うかと思ったのに。







見上げると先生は優しい表情のまま。







「どうせすぐに戻りたくなるだろ。川島馬鹿だし。

もう寝ろ。寝室のベッド使っていいから」







『先生は?』







「ソファー」








『ダメだよ!あたしがソファーで寝る!!先生が風邪引いちゃうよ…』





「お前女だろ?ソファーに寝かせて俺がベッドは…」




頭をガシガシ掻く先生。






『大丈夫だって!あたしは風邪引かないから、ね? じゃないとあたし、出ていって外で…』






「分かった」







あたしがえへへって笑うと、先生は溜息を吐いて寝室から毛布を持って来てくれた。