「何があったんだよ…? いきなりそんな事言いだして!」
翔があたしの手を更に強く握る。
分かってよ。
翔が無理するから言ってるんだよ?
あたしの為に体壊してほしくないの!
でも、そう言ったら“俺は大丈夫”って言うでしょ?
だから…
『成仏しなくても良いって思い出したの! この世界に残っていたい、消えたくないって思ったの!』
だめだ…
思ってもいない事を言うの、辛い。
涙が出てくる。
あたしは咄嗟に下を向いた。
「いつまでもここにいるわけにはいかないだろ?お前は死んでるんだぞ?」
翔はさっきよりも優しい声で説得するように言う。
分かってる。
そんな事分かってるよ。