「ありがとうございましたー!」
店員さんの声を背中に受けとめながらファミレスを後にする。
『翔…出費だね』
あたしは横を浮遊する。
「まぁ…この前の高級料理を奢らされるよりは良かったかもな。ってさー…浮くの止めて」
翔はあたしの両肩を持って下に押して浮かないようにする。
『体動かさなくて楽なのになー』
とっても便利なのに。
「いいから」
『分かった』
あたしは素直に地面に足を付けて歩きだす。
「すみませんっ、お待たせしました〜」
車に乗ってしばらくしていたら小走りで平井さんが走ってきた。
翔は微笑んで車を走らせた。