一通り見終わると、また翔の元へと戻った。
翔も先生も、食べ終わっちゃってたし。
『何も困った事無かった?』
あたしが聞くと、翔は平井さんに見えないようにテーブルの下であたしの手を掴んでキュッと握った。
あとは送るだけだしなぁ。
もう大丈夫だね。
「ちょっと失礼しますね」
もう店を出ようとした時、平井さんは席を立った。
「あ、じゃあ車で待ってますね」
翔は会計へと向かう。
『え、翔の奢りになるよね?』
あたしが後ろを付いていきながら話すと、翔は黙って頷いた。
平井さん…
それが目的で席を立ったの?
ここは普通割り勘でしょ?
翔…ドンマイだね。
でもこれが大人ー…なんだよね。