車の後部座席に座ってあたしは前の2人の様子を伺う。
「今日はどこに行きますか?」
車を運転しながら翔が聞く。
「この前みたいにかっちりした所じゃなくて…ファミレスにしませんか?」
笑顔で翔の横顔を見ながら提案する平井さん。
『え?ファミレス!?告白するかもしれないのにファミレス?』
有り得ないでしょ、平井さん。
まだ告白するかどうかも分かんないんだけど。
もっと高級料理を食べに行くのかと思った…
「いいですね、この前はすっごくかっちりしたお店でかなり緊張しましたから」
「と思いました。川島先生お疲れの様ですし、ゆったりとリラックスしながら食べれる場所にしましょう」
…大人の気遣いか。
はぁ。
やっぱり平井さんは翔が疲れてる事に気が付いてたんだ。
あたしのせいだよね。
窓の外へと視線を移し、外の景色を見ながら考える。
帰ったらなんて切り出そう。
脳内リハーサルしないと。