「そういうのいいから。で、もし平井さんから何か言われて俺が困ってたりしたら助けて」
そうにっこり笑う。
…助けて?
『どうやって?』
「こっそり悪戯したり?バレない程度にだぞ」
まさか翔があたしにそんな事を言うとは思わなかった!
『…分かったけど邪魔していいの?もしかしたら今日平井さん翔に告白するかもよ?』
今日の平井さんのメイク、気合いが入っていた気がするし。
「俺が告白されてもいいの?」
意地悪そうに笑う翔。
分かってる癖に。
『嫌』
「だろ?だからそんな雰囲気にさせないようにして。一応平井さんは俺よりちょっと先輩だし、いつも助けてくれるからあんまり断れないんだよ」
そしてはぁーっと溜息を吐く。
それって、あたしが居なかったら断れなくて付き合っちゃうって事!?!?
それになんか完全にあたしの扱いをマスターしてる気がする。
「とにかくお願いな。早く食べて家に帰ろう」
あたしは頷いて病院の入り口へと向かう翔の後に続いた。