ロッカー室へと歩いて行く翔の横をついていく。





「もう行かないでーって言ってたのに、美緒が行ってもいいなんて言うなんてびっくりだな」





ロッカーのハンガーに白衣をかける翔。





本当は行ってほしくないけどさ、翔が疲れているのはあたしのせいだと思うし…





それにあたしの美味しくない料理を毎日残さず食べてくれてるし…





たまにはちゃんとした味、栄養の物を食べて欲しいと思ったんだよ。





『あ、何ならあたし先に帰るよ?邪魔でしょ』






「…どうした?」







気を遣ってそう言ったあたしを見てロッカーに手をかけたまま動きを止める翔。






『何が?』



「何かお前おかしいぞ?先に帰るなんて…どうしたんだ?」






あたしに近づいて来てあたしの額に手を当てる。





『何でもないよ!ただ…平井さん、翔の事好きだもん』



そんな事関係無いんだけど…



あたしのせいで翔疲れてるし、付いて行ったら見えない事を良いことにいっぱい平井さんに焼きもちやいて悪い事しちゃいそうだし…





「で?何で先に帰るわけ?」



食事に付いて行かない方がいいかなって思ったの!




先に帰ってこれから言わなくちゃいけない事の練習をしよっかなーって思ったくらいだし…







『気をきかせようかな〜って。ね』






ニコっと笑いながら言うあたしを見て翔は不思議そうな顔をしたままあたしの頭にポンと手を置いた。