どーしましょうって…もう行かないでって言ったんだけど。
疲れてるみたいだし、帰ってあたしの料理食べるより美味しい物食べた方が良いかも…。
『行こう?』
あたしは笑顔で翔を見る。
「先生、一人暮らしですよね?いつも自炊では大変でしょう?たまには楽に食べに行きませんか」
カルテを胸に抱き締めるように持ったまま半ば強引な言い方で翔を誘う平井さん。
翔は困ったようにあたしを見る。
『平井さんの言うとおりだよ。いつもあたしの美味しくない料理食べてるんだから…たまには美味しい料理食べに行こう?』
翔はあたしを見つめたまま暫く考える。
平井さんも翔の返答を待っている。
そして暫くの沈黙の後、
「そうですね、行きましょう。下で待ってますね」
翔は立ち上がって言った。