まぁ、そんな臭い台詞なんて死んでも言えないけどね。

「でも、すぐに消えちゃうなんて悲しいよね」

「美人薄命。美しいものは何かしら長くは保てないんだよ。ま、若干使い方が違うけどね」

 彼女にそう言い、僕は苦笑した。
 彼女は「へぇー」と僕の蘊蓄に感心している。
 彼女は僕の蘊蓄を聞くのが好きらしい。毎回僕のそれを聞く度に感心してくれる。
 僕はそれだけで、知識を仕入れたくなる。知って彼女にもっと聞かせてあげたい。

 それが僕にとっての幸せなんだろう。