「桜ちゃん?」




語尾に音符がつきそうなぐらい、浮かれている声。




見上げなくてもわかった。




「…朔良さん」




「凪から電話きたでしょ。私を優先してくれるらしいね。ふふふ。」




嬉しそうにいう彼女。




「まぁ精々、私と凪の蜜会をみててね。邪魔しちゃだ・め・よ」




真っ赤なルージュを塗っている。