気がつけば、学校に来ていた。




「たく~!どこいんのよ~!」



「由緒!」


お母さんとお父さんが走って私の目の前にきた。





「由緒!現実を受け止めて!」



「現実…?」



「…そうよ。……拓くんは死んだの。」






「そんなの現実ぢゃないもん!何いってんの?」



「由緒!しっかりしなさい。そんな由緒の姿を拓くんが見たら悲しむわよ!」





「っ……もう。何がなんだか分かんないよ。さっきまであんなに元気で話してたのに。」




「ゆい…」





「帰るときに…拓が腕にキスマークつけたの。」



「えっ??」




「拓のすることって本当にいつもわかんない。」




「もしかして拓くんなりの由緒への『ありがとう』なんぢゃない?」





「えっ?」






「きっと拓くんは自分があともう少しでいなくなる事を分かってたのかもね。」









「だからキスマークつけたの?」








「たぶんね。もしかしたらそれ以上に深い意味があるのかもしれないけど。」