夜ご飯の時間がきた。



お父さんとお母さんはもう椅子に座っていた。



「早く座りなさい。食べるわよ。」



「うん。」




「由緒なにかあったのか?」





全くご飯を食べない私にお父さんが心配そうに聞いてきた。



「あのね。」



「なんだ?」



私は涙目で言った。





「しばらく学校休みたいの。」




「いじめられてるのか?」




「違うよ。」



「じゃあなんで?」



「拓のそばにいてあげたいの。」




「どういうこと?」





お母さんとお父さんは何がなんだか分からない顔をしている。







「拓……病気なんだって。」





「えっ?」


お父さんもお母さんも驚いてる。



「なんの病気なの?」




「心臓の病気って。原因は分からなくて…いつ死んでもおかしくない。…って」




「うそっ?」




「ほんとだよ。だから拓のそばにいてあげたい。いついなくなるかわからないから。…っ」



私の頬に涙が流れた。




「神様って不公平だよ。どうして拓なの?あんなに優しいのに。何も拓は悪いことしてないぢゃん!!っ……」



「由緒。おちついて!」


お母さんが私を抱き寄せた。





「学校は休みたいなら休みなさい。拓くんが由緒と一緒にいたいんでしょ?由緒も拓くんと一緒にいたいんでしょ?」