恥ずかしかった……物凄く。
だって道路の真ん中で……
ああ…
絶対変な人だと思われた!
もしご近所だったらどうしよう。
いや、でもそれはないはず!
だってあんな高そうな車に乗ってる人なんて、このへんでは見たことないし。
んん?
でもなんでそんなお金持ちな方がこんな田舎に…?
台所で突っ立ったまま悶々と考えて込んでいると、くいっとスカートの裾を引っ張られた。
はっと目を見開いてそこに視線を向けるとくりくりした瞳と目が合う。
「ねーちゃん顔怖いー」
「わっ…ごめんね、お腹空いたでしょ?ご飯、作ろうね」
そう言うと、大きな瞳がきらきらと輝いた。
「今日のごはん、なに?」
「……んー、ハンバーグにしよっか」
その言葉に、さらに幸の表情が輝いて。
胸が、幸せに満たされていく。
私は目を細めたまま、よし、やるぞと気合いを入れ、流し台の隣にある冷蔵庫へと向かった。
そして冷蔵庫に手を置いた、ちょうどその時。
ピンポーン
インターホンが、鳴った。
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