カタチより欲しいもの?


「何?」



小動物ぽい彼女は、チラッと俺の顔に視線を向けるけど、目が合えばすぐにそらして、怯えたように俯く。




「優羽?」



「……」


そんなに言いづらいもの?



「優羽、何が欲しいのか言ってくれないと、あげたくてもあげられないんだけど」



俺の言葉に、やっと意を決したのか。


彼女は握った俺の手をもう1度握り返し、一言だけ、答えた。




「……キモチ」