汗だくになりながらも。
肩で息しながらも。
真っ黒に日焼けしながらも。


毎日嬉しそうにチャリ走らせて、登校してくる、俺のハムスター。


何も言わなければ、何も聞かないし。

詮索も束縛もしない。



でも、俺が他の女に告られた現場を見た時は、『動揺してます』って書いたような顔して、目を泳がせてた。


なのに、泳がせながら、やっぱり何も聞いて来ない。



俺が今まで出会ってきた女と、優羽は明らかに違ってたんだ。


我が物顔で俺の気持ちを占領しようとしない。

曖昧な俺の態度を軽蔑しない。

一風変わった、可愛いハムスター。