そのまま、凌に引っ張られるようにして、放心状態のまま3組を後にした。
再び私達の教室に戻ってきても
『お気に入り』
が、私の頭の中でグルグル回ってる。
『お気に入り』
お気に入り……?
ぼーっとしたまま立ち尽くす私の前で、彼は椅子に座り、下から私を覗き込むようにして口を開いた。
「形……ほしい?」
か、形……?
「優羽がそのままでいいなら、俺も、そのままでいいと思うんだけど」
「……?」
「彼女って形がないと、さっきみたいなのを断れないなら、面倒じゃん。」
彼女って……形……?
「カタチ……いらない?」
凌が優しい瞳を向けて聞く。