「おい!!お前ぇ!
オレの名前はグリーズブルだ
忘れるなよぉぉっ!!」

「お前じゃない、昴だ
じゃあな。ぐりるん」

捨て台詞を交わし合って
ぐりるんは逃げるように
走って去っていった

途中、転んだ事は伏せておこう

嵐が去ったかのよう……
否、突風が去ったかのように
驚いた頃には去っていった

僕は思う

何がしたかったんだ?アイツ

ここに居ないヤツには問う事も
出来ないので
ようやく笑いが収まった
ミッシェにぐりるんの事を
聞かなくてはならなかった

「アレは私のクラスメイト
と言った立ち位置になるわね
中等部の頃から面識が
あったんだけれど……
昨年当たりから猛烈な
アプローチを受けてしまって
……以来、この調子よ
変な物でも拾い食いしたのかしら」

肩を竦めてため息をつく
よほど面倒だったらしい

目が明後日の方を見ていた

「にしても、ぐりるんも
ここにいるって事は…
アイツも落ちこぼれか」

「そうなるわね
あの虫けら、魔力はあるのに
制御が出来ないのよ
面倒極まりないわ」

そういってミッシェは
指を鳴らした

……怖い