あいつと目線があった。


あいつはすぐ目をふせて、女と去っていった。




人の幸せを潰すようなコトはしたくないから、何もしなかった。



















いや、何もできなかった。



汐莉が怒らないでって止めてる気がした。












「……辛すぎ」



俺は夜空を見た。



涙が出そうだった。




叶わぬまま終わった本気の恋。


なあ汐莉、なんでそこまで先輩にこだわった?


俺みたいに、本気で先輩を好きだったからか?
















はは。




やっぱ汚れた俺に、幸せは訪れないんだな…