1人、中学校の屋上。


まだ目に巻きついてる包帯。


壁やフェンスをたどりながら、ゆっくりとのぼる。







誰も来ない。
死ねばマスコミもこない。
皆に何も言われない。



楽になれる。






そぅ思った。







アタシは一歩踏み出ようとした。






ガチャンッ


「春花ぁっ!!」

来たのはかなくん。




「死ぬなっ!!」


「やっ!!」


バタッ


かなくんはアタシを無理矢理おろした。



「春花…」
「……かなくん…?」



かなくんは泣いてた。


目は見えないけど伝わってきた。
悲しい気持ち。。


かなくんの頬を触ると、冷たい涙が手を伝った。






「……春花しかいないんだ……俺には……」
「…かなくん…」



ギュ、、、




かなくんはアタシしかいないって言ってくれた。


かなくんには両親がいない。

三歳のとき、亡くなられた。


それからは親戚にお世話になってたけど、かなくんにはあわなくて中2の初め、こっちにお兄さんと来た。



でもお兄さんは仕事が忙しいから、かなくんはほとんど1人だった。