少し遅い昼食のあと、夕食はアパートで食べようという話になり、近くのスーパーで買い物をした

紅夜さんの希望は、肉じゃが

材料を買い込むと、私たちはアパートに戻った

部屋では、微妙な緊張感が漂った

紅夜さんと隣あって座っているのに、5センチくらい距離が空いていたり

ちょっと肩がぶつかったくらいで、お互いに大きな声で謝ったり

私も初めてのことで、緊張しているけれど、紅夜さんも緊張してるってわかったら

なんだか、おかしくて…

二人同時に目が合ったときに、『ぷっ』と噴き出して笑い合った

「馬鹿みたいだな、俺たち」

と、紅夜さんが照れていた

手を繋いで、ベッドに二人で座ると、さっきまでの緊張はどこに消えてしまったのか

紅夜さんの優しいキスが、始まりのゴングのように、私はベッドに押し倒された

触れるだけのキスを何度もする

徐々に、深くキスへと変化していく

手を繋いでいる紅夜さんがぎゅっと、強く握りしめたかと思うと…生まれて初めてのディープキスを経験した

舌と舌となんて…気持ち悪いっ!って思ってた

けど、全然違った

好きな人とのキスは、私の脳をチョコレートみたいに溶かしてしまう

何も考えられなくなって、身体だけが熱くなる

紅夜さんしか見えなくなる

紅夜さんの温もりだけが、私の癒しになる