「紅夜さん、綾さんと話をしませんか?」

「は?」

「お互いの気持ちを、きちんと吐き出すんです
思ってることを
ずっと黙って、見つめあってるだけじゃ、きっと二人とも苦しいと思うから…」

紅夜さんの顔色が変わる

視線を宙を彷徨い

私の瞳に戻ってくると、ふっと笑顔になった

「わかった
綾と話をする」

紅夜さんの手が伸びてくると、私の頭を撫でた

指に髪が絡むと、そのまますっと下に紅夜さんの指をおりてきた

その指は、私の唇をなぞる

次の瞬間、私の視界が暗くなった

紅夜さんの唇が、私の呼吸を止めた

温かい感触が、唇に重なる

キス?

ただ触れ合うだけのキス

それでも紅夜さんの苦しい感情が、私の体に流れ込んできた

私は紅夜さんが好き

綾さんに想いが向いてても

私は紅夜さんが好きだよ