そんなわけで、少しでも同じ空気を吸っていたいがため耐えてしまった
3年間のバスケットボール部

補欠の12番


「なんで辞めなかったのかな……」

一緒に部活のあと帰るわけでもなく

ただ後ろから一定の距離を保ちつつ、同じ道を帰る。

「バイバイ」だけを言いたくてがんばっていた3年間


“健気”


そんな自分に酔っていたのかもしれない。

付き合えるわけでもなく、手をつなげるわけでもなかったけど

「じゃあ」って手を振ってくれる彼が見れるだけで満足だった。