幸い階段のすぐそばには窓がある。

 ここからなら外に出れる

階段でそっと靴を履いて、窓をあけるとよじ登って外に出た。


そこは体育館の喚起口の上だった。

陸上部が寝転んで休憩する高台になっている。

急に窓から出てきた私に陸上部の男子が驚いていた。


「すっすみません」

地面から2メートル近くの高台から私は飛び降りた。

足にジーンとシビレが走る。

 今なら私なんだってできるんだ

そんな気がしていた。

きっと飛び降り自殺する子の心境ってこんなんだろう。と思いながら走った。