「ルイ! ルイ!」

後ろからたくさんの声がする。

 振り返らずに逃げるんだ


下まで降りた私は、更衣室の横を通り過ぎ、反対側の階段を駆け上がった。


 巻くんだ! 奴等を巻くんだ!

走って走って。

メロスは友情を証明するために走ったが、私は何のために走っているのだろう。


再び体育館の1階、下駄箱の階に着いた。


 ハマのところへ行くんだ


下駄箱のそばまで来ると、誰かの気配を感じ、足を止めた。

見張りを立てていたのだ。