声が遠く外に行ったのを確認し、体育館の下駄箱に着くと、私が置いたはずの靴箱をのぞいた。

 ない……ない! ない!
 どういうこと?
 靴まで持っていく必要がある?
 私を閉じ込めるため?
 意味が分からない
 意地悪な女たち

裸足でハマのところまで行けばよかったものの、パニックに陥った私は、体育館の2階にあがり、校舎へと続く廊下を泣きながら走った。

ハマの教室は1階のE組。

 ハマ、ハマ! 助けてハマ

心の中で叫んでいた。

「廊下は走らない!」
音楽の先生が私の走る姿を見て叫んでいた。

 それどころじゃない

そんな言葉なんて気にもとめず、走って階段を駆け下りた。