目の前が涙で歪んでいた。

バド部の子には見られないように、急いで「ありがとう」と言って更衣室を出た。

扉を閉めた途端、涙があふれだした。

 どうしよう。誰か助けて
 ハマだ! ハマなら助けてくれる!

今日部活を休んでいたハマのところへ行こうと思った私は、地下室の体育館から地上へと続く階段をかけあがった。

すると、上の方からヨーコ達の声が聞こえたのだ。

 まずい!
 このままだと出会ってしまう

私は立ち止まり、声を聞いていた。

ゆっくり登ったり降りたりしながら、どうしようかと考えた。

だんだんと気分は尾行をしている探偵になっていた。

 よし声が遠くなってきた

「やっぱり靴あるよ。まだいるんじゃない?」

 リサの声だ、早く帰って……