「悪かった」
「いつでも口先だけあやまればいいと思ってらっしゃる」
「そんなことはない」
カルレインは、眠っているカリナが目を覚まさないように気遣いながら、
そっとリリティスを抱き寄せ、彼女の瞳に唇を落とした。
「愛してる、リリティス」
耳元で低くつぶやく。
・・ほら、やっぱり、わかってらっしゃらない。
いつでもそうやって愛を囁く事を、免罪符だと思っているふしがある。
もしも次があれば、また同じように何も言わず、自分だけで解決の道を探るのだろう。
それでも、リリティスはそれ以上追求することはしなかった。
代わりに、何万回も繰り返してきた言葉を口にした。
「私も、愛しております。カルレイン様」
カルレインの熱を帯びた瞳が近づいて、リリティスは逆らわず瞼を下ろした--。