どれも事実なだけに、反論が難しい。

子どものいない頃は、あれやこれやと言い訳してすり抜けてきたが、

子育ての過程で、それらはみな禁止事項として挙げられているものだ。


悩んだ挙句、カルレインは最後の暴挙に躍り出た。


「俺は、いいんだ」


声は小さいが、完全に開き直りの態度に、


「え~!そんなのずるいわ!」


とファラが声を上げると、


「そうですよ、父上。

独身女性の部屋に勝手に忍び入るなど、礼儀がなっておりません」


エリシオンも声高に主張した。



・・なんなんだ、こいつらは。



ファラたちの会話を、ソードは不思議な思いで聞いていた。

言いたいことを、ぽんぽんと当たり前のように口にする親子。

言われ放題なのに、怒るどころか、やられっ放しの父。


同じ家族だというのに、自分が見てきたものとは、あまりに差がある。