真実の一欠けらが、目の前で次々と繋がっていく。
ソードの父と、カナンからホウトへと来たレリーの母。
自分の結婚相手に、わざわざソードを指名した父。
レリーの母が、自分の母に仕えていたということは、当然、ソードの父も。
・・もとは、カナンの王族だった。
『あんた、本当に知らないのか?』
シドの声が、記憶の底で囁く。
『ソード王子の親が、誰かってことをさ』
・・シドはこの事を言いたかったんだ。
ルビド王は、甥の子供を養子にしたと言った。
ということは、ソードの父親であるマリウスの両親のうち、
どちらかがルビド王の兄弟ということだ。
王の兄弟が他国にいる理由は、そう多くあるまい。
ファラは、容易に答えにたどり着いた。
・・多分、マリウス様のお母様に当たる方が、カナン国の王族のもとへ嫁いで来たんだわ。
今の自分と、同じように。