ぐるぐると頭の中を、必死にさぐると。


「あのさ、ソード王子って、みんなの前では、いつもあんないい子なの?」


今、一番気になっている事が、言葉に出た。

もう少し、よく知り合いたいと思っているのに、その機会さえ与えてもらえない。


自分との結婚話が、そんなに嫌なら、そう言えばいいのに、と、

ファラは、当初から、気になっていた。


確かに、自分も突然、結婚なんて話が降って沸いてきて、多少の反発もあるが、

ここへ来るからには、覚悟を決めたつもりだ。


それなのに、肝心の相手が、まるでそっけない態度をとる。

一番理解に苦しむのは、ソードが、王や、侍女たちの前では、自分を丁寧に扱い、

結婚してもいいと取れる発言を、していることだ。


そんな風に矛盾した態度を取るソードに、どう接すればいいか、ファラは迷っていた。


シドならば、ソードの考えていることが、わかるはずだ。

ちょっとでも、手がかりを得られれば、幸運。


それくらいの軽い考えだったが、返ってきたシドの言葉は、意外なものだった。