「ごめん、あたし先に出るね」 強引に部屋を出たあたし。 髪は濡れてるし、 顔だって 化粧水すら塗ってない。 「あ、たし…さっき、何言おうとした…?」 ホテルの階段のところで しゃがみ込んで自分に問いかける。 「言ってどうする気だった…?」 分からない、 分からない、 これが 事実だったなんて 思えなかったし 思いたくもなかった。 でも いつかは知ること