「……美咲。」

そうやって、中学時代の親友の名前を呼んでやると、彼女はわかりやすく微笑んだ。

久しぶりに声を発した喉が傷んだ。


「桜っ!!
良かった。良かったぁ。
桜ママに聞いたら、賢くんが亡くなってから、ずっと部屋に籠ってるって聞いたから。
心配で、心配で……。」


涙ぐまないでよ。

なんであんたが泣くのよ。

あんたには何も関係ないでしょ。


「何しにきたの?」


何でそんなに傷付いた顔してるの。


あんたなんかより私の方がずっと傷付いたてるのよ。


「私、桜を元気づけにきたのよ。私、桜が本当に賢くんのこと、好きだったって知ってるから。

だから、だから…」

「だからって
何をしてくれるの?
何かできるの?

賢を、生き返らせてくれんの!!???」





ねえ、賢。

好きだよ。

あんたがいないと、息も出来ないの。
酸素を取り入れるだび、喉がいたむ。
あんたがいないと、涙が止まらないの。
もう水分なんてとっくにないはずなのに。


ねえ、賢。

なんで死んじゃったの。