やっぱり橘くんが分からない。
いつも意地悪で、ムカつく奴で…
でもこうやってたまに、すごく優しくて、安心できる。




リビングに近付く足音が聞こえて、急いで涙を拭う。




リビングに入ってきた橘くんはアタシの横に座った。




「俺、そろそろ帰るけど……?」




「うん、わかった!」


コクリと頷き、ソファから立ち上がった。




「でも……泣かれると帰れねぇんだけど?」


腕を引っ張られて、元の場所にまた座っていた。



「な、泣いてないっつーの!!」




「あっそ。じゃあ帰るわ」


立ち上がって玄関に行く橘くんを追って、アタシも玄関へ行く。