「あ、ありがとうございます。」


 声が上ずった。


「さぁ、お荷物はこちらに。」


 トランクを開ける爺や。


 私は、そこにビールが詰め込まれたトートバックを入れる。


 ただし、蛍光灯だけは別だ。


 これだけは、手放すわけには行かない。絶対に。


「お嬢様の言ったとおりだ。絶対にそのワッカだけは手放さないのですね?」


 爺やが、柔和な顔で行ってくる。


 この老人が言うと、イヤミもイヤミに聞こえないから、不思議だ。