「簡単よ。私の家も同じような産業をしているもの。アルタス財閥には、何人もの我が社のスパイが潜入しているわ。」


「え?」


 突然の恐ろしい話に、おかしな声が出る。


「もちろん、極秘事項だけだけどね。」


 フフフと笑うカオリだけど、私にとって見たら、ちっとも笑えるような内容ではなった。


「だったら、すぐにでも止めないと!そうでなければ、警察に突き出すとか……」


「どうやって?」


 その言葉を口にした瞬間。カオリの顔が酷くゆがんだのが見て取れた。