幸華と俺は予備校で知り合った。…そして花も。


俺は花に告白され、《期限付6ヶ月の恋》をした。
カップルと言ってもお互い浪人だからお金も時間も少なく、SEXさえもしなかった。


期限が来ていざさよなら、になるとあいつは執拗に絡んできたが俺はあっさりと切り捨てた。

東京で一人暮らしもするし、もう一生会わないと思う。
と、地方の出ならではの断り方で。




「…っあー。」

朝すれ違ったスレンダー女子は…多分……多分、花だ。
めんどくせー…。




「……いつもに増して苦い顔をしてるね」

「うっせ」

「私が相談に乗るよ!」

物は試しだ。この大学の偏差値を信じ名案を期待してみるか。

「……例のドンキーコング」

「…バナナ事件のことか!ドンキーコングと名付けるなんてなかなか君も可愛いねぇ」

イライラをどうにか押さえ付け話を続ける。

「……………犯人がわかった」

「…なんだって!?じゃあ私のストー」
「俺のストーカーだったんだよ」

「………君という男は私と半沢だけにとどまらず他の人まで誘惑したのかい?!」

「…俺はお前らを誘惑した覚えなんて一切ねーよド阿呆」

「…まぁ、確かにそうだが。それは考え物だ。君を好きな人は私だけで十分だというのに。
ただでさえ半沢お邪魔虫がいるし…ちなみにそのストーカーは…男?」

「女。スレンダー女子」

「…!!!!!……私のこの身長ではどうやっても……」


泣きそうな表情になっている。…ほんとに俺のことが好きらしい。変な奴。