岡田先生の話も終わり、夏休みあけで授業もなく、みんな帰り始めた。


「鮎川さん、東京から引っ越して大変やったやろ。俺でよかったら案内するよ。」


「お前ずるいぞ!俺が案内する!!」


「あんた達に任せてると危ないから私が案内する!」

クラスのみんなが恵の周りを囲んで、誰が案内するかでもめていた。


『みんなありがとう♪でも私、案内してもらう人決まってるの…気持ちだけで十分♪』


「そっか…」


そう言って恵は教室から出ていった。