私たちは向き合って座って、コーヒーとココアをそれぞれ頼んだ。


「あったかぁ―い」


冷えきった身体をココアの甘い香りが柔らかく包みふぁふぁと温かくなった。


「本当外は寒かとね…」


その言葉で一馬の電話を思い出した

ごめんね…
私が電話で待たせたから…
なんだか申し訳なくて…

私はうつむいた…


「きゃ!冷たい!」


あまりの冷たさに顔を上げると、私の頬は翔太郎の冷たくなった両手に挟まれていた。


「ボケッ−として、どうしたと?ねむたくなったかと思って、目覚ましてやったとよ(笑)」


翔太郎は子供みたいな無邪気な顔で笑った。


「めっちゃ冷たいし…心臓止まったらどうしてくれんの?(笑)それにそんな子供ちゃうから、眠くないし!」



こんなにドキドキしてんのに眠くなるわけないよ…
翔太郎に触られた冷たいはずの頬がみるみる赤く火照った。


「それならよか!まだ夜は長いと!」


そうだ…
私、今日は翔ちゃんと朝まで一緒なんだった…


何だかさっきに増して鼓動が早くなった…


これから私たちどうなるんだろう?

一緒にいると決めたのは私だけど…