慈しみ溢れる優しい瞳。
凛と揺ぎ無いまっすぐな眼差し。
見つめ合ったその瞬間、すべてがわかった。
彼の持ち得る限りの勇気も。
精一杯の誠実さも。
僅かな迷いもない決意も。
そして――
両手では抱えきれぬほどの、言葉では言い尽くせぬほどの、大きな大きな愛も。
私の選びはきっときっと正しいから。
だから――
「結婚してくださいませんか、僕と」
選んでもらえたことに、望んでもらえたことに、誇りと自信を持てばいい。
彼の隣りで、彼の味方であればいい。
人生という長い旅路を一緒に歩んでいけばいい。
「もちろん、喜んで」
ずっと零れないように零さないように我慢していた泪が、ついについにふるえ落ちた。
笑ってる泣き顔?泣いている笑顔?
とにかくきっと、すごくすごくヘンな顔。
そんな泣き笑い顔を隠したくて――
彼のことをもっとぎゅっと感じたくて――
私は思い切り彼の胸に飛び込んだ。