私はあらためて心をこめて彼にちゃんとお礼を言った。
「予告状、ありがとう。寛行さん、お仕事忙しいときだったのに、本当に……」
「うんん。仕事は大丈夫だから、気にしないで、心配しなくていいからね」
「うん」
「けど、予告状ってあんな感じでよかったのかな……???」
「いいよ!ぜんぜんいい!!あんな感じで……うんん、あんな感じがよかったの!」
「そう???」
「そう!すごくね、すごく、とってもいい予告状だったもの」
きっと、一般的には?予告状に良いも悪いもないのかも。
だけど――
彼が私におくってくれた予告状は、本当に本当にとってもとっても素敵だったから。
その気持ちを、嬉しかったその気持ちを、どうしても彼に伝えたかったのだ。
「詩織ちゃん」
「ん?」
「期待してるからね、僕も」
「う、うん……どんな恥ずかしい台詞にも対応できるように準備?しとくデス」
「それでは万事怠り無く、お互いにね」
「了解デス」
去年の彼の誕生日――
大事に心にしまったはずの“先生の人生がもらえる引換券”……。
だけど、ちゃんと大事にしまっておいたはずなのに、いつの間にか気がつくと――
その“引換券”は、長い長い旅路を行く列車の“切符”になっていた。
きっと、彼も同じ切符を持っている。
もうすぐ――
この切符を、使うそのときがやってくる。