いつもいつもまたまたいつも。
彼はササッと、すーぐにパジャマを着てしまう。
「寛行さん、いつもなんだけど、パジャマ着るの早すぎだと思う」
「だって、落ち着かないじゃない」
気持ちはわからないでもないけど、何かこうちょっと淋しいような気もして。
「やることやったら用無し感が漂ってる」
「ないない、漂ってない。ほらほら、君もお着替えして」
「えー」
むぅぅ……ちょーっと意地悪言ってみたのに、彼はちーっとも平気だし。
「“えー”じゃない。さあさあ、早く着替えて何か飲もうよ。僕、のどカラカラ」
ごちゃっとかたまって山のようになった掛け布団。
そのフカフカ掛け布団の山から、私のパンツを発掘する寛行さん。
「なんで私のパンツっていつもどっかいっちゃうのかなあ」
「それは、うーん……脱がせたパンツの置き場所なんていちいち決めてないわけで」
「たまにベッドから落ちてるしね」
「断じて放り投げたりしてないからね」
「そんなこと思ってないから……」
「布団にまぎれたりして一時的に行方不明になってしまうのは致し方ないね。
それともさ、御丁寧に畳んだり、或いは干されたりしてたほうがいい???」
「ほ、干すってなんですか!もう!」
まったく、この人は……。
っていうか――
言われてちょっと想像しちゃった私もバカだと思う……。
椅子の背もたれに、クタッとヨレッと所在なげに干されている自分のパンツを。