いつもいつもまたいつも。
私のしょーもない話につきあってくれる寛行さん。
あんなときも、こんなときも、あまつさえそんなときまでも……。
照れ屋で無粋な私に、彼はとてもとても寛大だ。
そして――
徹底的に冷静で、繊細で慎重だ。
まるで淡々と悠然と、どこまでも落ち着き払ったような彼。
それに対して――
次第に理性を失いながら、言葉をなくしていく私。
すべてを見透かされ、すべてを晒され。
どうしたって敵わない。
それは屈辱といえば屈辱なのだけど――
その痺れるような甘美な屈辱に、私はダメにされてしまうのだ。
ゆるゆると愛でられ、甘やかされ。
そして――
大事に壊される。
初めての夜もそうだった。
それからの幾度の夜も。
彼の寛容さと誠実さのまえで、私は安心して壊れてしまうことができた。