晩ご飯を外で食べるのは久しぶりのこと。
っていうか、よく考えてみると一緒に暮らし始めてからは無かったかも???
バイトを終えて待ち合わせ場所のコンビニへ行くと、駐車場に彼の車が止まっていた。
そう、今朝“待ってるから”と言ったとおり、ちゃあんと先に来てくれていたのだ。
小走りで車へ向かうと、私に気付いた彼が中からドアを開けてくれた。
「お疲れ様。寒かったでしょ」
「お、おつかれさまです……」
ちょっとぎこちなく挨拶しつつ、私がそそくさと車に乗りこむと――
「お腹空いてるんだ。寒いし早くあったかいもの食べに行こう」
「う、うん」
「今日はうどんね。天ぷらも旨いって店、森岡に教えてもらったから」
寛行さんは私の了解を取るでもなく、すぐにさっさと車を出した。
うーん、なんだろう???
別にお昼はうどんじゃなかったし、今夜は寒いし、文句はまったくないのだけれど。
何かこう、心にひっかかるというか……。
どうにも彼のペースにうまーくのっけられている気がして。