あーあ、もう……またまた子どもっぽいところ見られちゃったし。

穴があったら入りたい、でも穴はない……。

ということで――

素早く布団にもぐりこむ。


「寝ます」

「おやおや」


「……」

「もしもーし、詩織ちゃーん」


「……」

「寝てますかー?」


「“ムニャムニャ……うーん、もう食べられないよう……”」

「これまたベタベタなネタを……」


「“あれ???寛行さんが、お仕事しないでウロウロしてるよ……むにゃむにゃ”」

「予定変更。残りは明日の朝早く起きてやることにした」

「ええっ!」


彼の言葉にハッとして、思わずガバッと体を起こす。

それって、それって……私のため???


「あ、起きたね」

「あのっっ、お仕事のことは……!?」

「いいんだよ、大丈夫だから」

「でも……」


なんか申し訳ないなぁ……。

きっと、同居初日の夜だからって気を遣ってくれたのだ。

でもだから――


「さて、僕も寝るとするかな」

「うん!寝るとしよう!寝るとしよう!」


大切な夜だからこそ!やっぱり嬉しい!