「寛行さんが11月生まれのおかげで、私は病気しても心配なさそうだね」
「ブルートパーズの癒しのパワーかい?」
「そうそう」
「君が2月生まれのおかげで、僕はバリバリ仕事が捗(はかど)りそうだ」
「アメジストのパワーで直感力アップ!集中力アップ!ばんばん論文書けちゃうね」
「そう願いたいものだね、本当に」
「そうなるもん」
「はいはい」
「私は寛行さんに健康運をもらったようなものダ」
「僕は君に仕事運をもらったようなものダ」
「あと、私は“浮気どめ”をもられたね」
「“もられる”ってそんな……僕がこっそり悪さしたみたいじゃない」
「るるら~♪一人のひとだけを~♪一途に想いつづけるよ~♪」
「この子は……」
“やれやれ”とちょっと困ったような顔をして笑うときの彼が好きだ。
だからってわけじゃないけど、つい――
「あのね、寛行さん」
「うん?」
「どうする?私が浮気したら」
「ええっ!」
いぢわる言ってみたくなる。
「ねぇ、どうする?どうするの???」
「どうするも何も――」
「どうするも何も?何?何?何?」
彼が困って、眉を“ハの字”にしちゃうような意地悪な質問。
さて、彼の答えは――
「“驚く”かな」
「……」
こ、この人は!?なんつう答えを……!!