さて、寛行さんに引き渡されたヘロヘロのエイリアンはというと――
シートベルトでしっかり身柄を拘束され、彼の家にきっちり護送?されることに。
途中ずっと車の中で、すっかりぐっすり眠りこけてしまった私は……。
「着いたよ、詩織ちゃん。ほら、起きて」
寛行さんに揺り起こされて――
「ん……うぅ……んん?……あーっ!」
あら、びっくり!!
「雪だあ!うわー、うわー、雪だよ!」
「うん、雪だね」
「ホワイトクリスマスだよ!」
「うん、ホワイトクリスマスだ」
「わぁ、なんか感激かも!」
そうして私は年甲斐もなく?おおはしゃぎして、いそいそと車を降りて外へ出た。
ぴんと張り詰めた澄んだ空気。
舞い降りては消えてゆく儚い雪。
小雪舞い散る空の下、手をつないで二人で歩く帰り道。
私は思い切り上を向いて広い夜空を仰ぎ見ながら――
「雪やこんこんだねー。わおーん!」
「こらこら、ちゃんと前見て歩かないと」
「寛行さんが代わりに見ておいてー」
きゅっと繋いだ彼の手を、強くひいたり、また緩めたり。
てれんこてれんこ、ちんたらちんたら。
家路をちっとも急がない、道草自由の帰り道。