お迎えに来たのは、お花の道のところを走ってきたお神輿ではなかった。
「真中君も桜庭君も、ご迷惑かけてすみませんね。途中少し道が混んでいて……」
渋滞の道路を車で走ってきた寛行さんは、そうしてお詫びを言いながら――
「いや、それにしても……まるで人間に捕まったエイリアンみたいですね……」
「あー、言われてみれば確かに」
「こんなふうに捕らえられた宇宙人の絵?テレビで見たことありますあります」
げふっ……何言ってんだ、この人たちは。
「では宇宙人の身柄をお引渡ししますね。あ、真中クン、彼女の荷物も渡さないと」
「はい。こちらが宇宙人の所持品です」
「ありがとう。彼女がすっかり世話をかけてしまって、本当に申し訳ないです」
「いえいえ」
「なんのなんの」
「さあ帰るよ。二人にちゃんと挨拶して」
「うすっ……あざーっす」
「シオリン……」
「おおーっ。そんな挨拶もできたんだね、シオリン」
「桜庭サン……お花の道もお神輿も、きっと貴方には見えているんですね……」