“頼れる兄サン”は“可愛い後輩二人”に素晴らしく美味しい提案をしてくれた。

「ちょっと外へ出ようや。せっかくだし。美術館のレストランなら近いし。どう?」

「ハイ!行きますっ!」

「ボクも!」

「ヨシ!じゃあ決まり!」

久しぶりに仲良し三人組で食べるお昼ご飯。

しかも学食なんかじゃなくて、ちょっと贅沢な外ご飯。

食事のあとはせっかくだから展覧会を見ていこう。

帰りにはミュージアムショップに寄って、寛行さんにお土産を買っていこう。

美術館での楽しい美味しいクリスマスランチ。

思いがけないイベントに私は心躍らせた。


11時半に現地集合することを約束して一旦解散。

真中君は論文作成の続きに学科の図書室へ。

桜庭さんは買物があるからと再び学外へ。

それぞれ用事を済ませる為に散っていった。

私は図書館で本を借りたあと、ちょっと自宅へ。

午前中のうちに洗濯物をやっつけてしまおうと急に思い立ったから……。

だって――

見上げれば、空は冬晴れの澄んだ青。

まさに今日は絶好の洗濯日和!

だけど――

それはそれであり難いのだけど、やっぱりちょっぴり残念なような……。


雪催い(ゆきもよい)とは真逆の明るく穏やかな空模様。

どうやらホワイトクリスマスは期待しないほうがよさそうだ。