彼から素敵なクリスマスプレゼントをもらってほくほくの私。

さーて、そんな私が愛する彼に選んだプレゼントはというと――

「寛行さん。私たちって、やっぱりすっごく気が合うみたい」

「うん?」

はてな?と不思議そうに首を傾げる寛行さん。

あぁ、もうっ!

彼のこの仕草の可愛さったらないと思う。

私はそんな彼の驚く顔が待ちきれず、喜ぶ笑顔を早くはやく見たくって。

はやる気持ちを抑えつつ、バッグの中から小さな小さな贈り物を取り出した。

「クリスマスプレゼントです、私から」

「開けてもいい?」

「もちろん」

彼の大きな手が小さな包みを丁寧に丁寧に開いていく。

そして、中から出てきたのは――

「おおーっ!これはまた!」

「ねっ?気が合うでしょ?」

「うん。びっくりした。ハンコつながりだ」

「ね。私もちょっと驚いちゃった」

私が彼に贈ったのは蔵書印。

もちろん本が商売道具の彼は“高野蔵書”という立派なそれを持っている。

だけど、私があげたのは――

「“寛行蔵書”かぁ。可愛いね。それにゴム印スタンプだといろんな色が押せるし」

「そうなの。実はね私も思い切って作っちゃった、自分のやつ」