それにしても、クリスマスに着る“お衣装”をクリスマスに発注なんて……。
「そっか、年末だもんなぁ。今から注文しても年内に届けば御の字ってとこか」
なにしろ師走に入ってから、私は論文の仕上げに忙しく、彼は彼で仕事で多忙で。
おまけに私は論文を仕上げるまで、このウチには出入り禁止になっていたし。
そんなわけでこの買物は、ようやく実現した魅惑の?ネット通販なのである。
「じゃあ着るのは来年のクリスマスね」
「えーっ!到着後すぐに着用じゃないの?僕に披露してくれるんじゃないの?」
「いや、だから、寛行さんの為に着るわけじゃないって言ったはずだし……」
「そんなぁ……」
「何もそこまで悲壮感漂う声出さなくても……ま、来年のお楽しみってことで」
「むぅ。そんなこと言うなら、僕はトナカイのカチューシャ買っちゃうんだからね」
「どうぞご自由に。角でも何でもはやしてください」
「ひどい、なんてつれない子なんだ……でも――」
「ん?」
「そんな悪い子にも、ちゃーんとクリスマスプレゼントはあるんだなぁ」